ACCORD-BP試験:糖尿病で収縮期120mmHg未満を狙っても、心血管イベントは減らなかった
― 「下げるほど良い」の限界を示し、SPRINTと対をなす降圧の基準試験
ACCORD Study Group; Cushman WC, Evans GW, Byington RP, et al. Effects of Intensive Blood-Pressure Control in Type 2 Diabetes Mellitus. N Engl J Med. 2010;362(17):1575–1585.(DOI: 10.1056/NEJMoa1001286 / PMID: 20228401 / NCT00000620)
心血管高リスクの2型糖尿病患者で、収縮期血圧の目標を120mmHg未満(厳格)vs 140mmHg未満(標準)で比較。主要複合(非致死性MI・非致死性脳卒中・心血管死)は有意差なし(HR 0.88、P=0.20)。脳卒中は厳格群で減ったが、重篤な有害事象は増えた。のちのSPRINT(非糖尿病で有益)と対をなす一本です。
背景:なぜこの試験が必要だったのか
糖尿病患者で収縮期を130〜140mmHgよりさらに下げる根拠は乏しかった。「血圧は下げるほど良い」という直感が、高リスクの2型糖尿病でも当てはまるのかを、前向きに検証する必要がありました。
高リスク2型糖尿病で、収縮期120mmHg未満を狙う厳格降圧は、心血管イベントを減らすか?
研究デザインの読み方(PICO)
心血管高リスクの2型糖尿病患者
「もともとリスクが高い集団」で益が出るかを見る
厳格降圧(収縮期 <120mmHg目標、平均3.5剤)
多剤併用で踏み込んだ降圧
標準降圧(収縮期 <140mmHg目標)
当時の一般的な目標
非致死性MI・非致死性脳卒中・心血管死の複合
ハードエンドポイントの複合
患者背景(要点):4733例、非盲検(PROBE)。平均追跡4.7年。1年時の収縮期:厳格119.3 vs 標準133.5 mmHg。
1年時点で収縮期に約14mmHgの差がしっかり付いており、「降圧の差」自体は十分に達成された試験です。
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本ページは医学情報の学習・抄読会支援を目的とした要約であり、個別の診療判断を代替するものではありません。掲載の数値は原著に基づきますが、投与の可否・用量などの最終判断は、必ず原著論文および最新の診療ガイドラインをご確認ください。図表は出版社からの転載ではなく、要点を独自に記述・再構成しています。