EMPA-KIDNEY試験:最も広いCKD集団で、エンパグリフロジンは腎進行を抑えるのか
― 非糖尿病・非アルブミン尿まで含む「ほぼ全CKD」への腎保護(SGLT2阻害薬)
The EMPA-KIDNEY Collaborative Group; Herrington WG, Staplin N, Wanner C, et al. Empagliflozin in Patients with Chronic Kidney Disease. N Engl J Med. 2023;388(2):117–127.(DOI: 10.1056/NEJMoa2204233 / PMID: 36331190 / NCT03594110)
非糖尿病・非アルブミン尿まで含む最も広いCKD集団(eGFR下限20まで)で、エンパグリフロジンが腎進行・心血管死の複合をHR 0.72で有意に抑制し、早期中止となった大規模試験。DAPA-CKD(アルブミン尿中心)の知見を一般化し、SGLT2阻害薬の腎保護を「ほぼ全CKD」へ広げた一本です。
背景:なぜこの試験が必要だったのか
SGLT2阻害薬の腎保護は、それまでの大規模試験で示されつつありました。ただし、その対象には偏りがありました。
- DAPA-CKD・CREDENCE:いずれもアルブミン尿が中心の集団を対象としていた。
- より軽症・非アルブミン尿のCKDでも効くのかは未解明だった。
そこで、糖尿病やアルブミン尿の有無を問わない、従来になく広いCKD集団でSGLT2阻害薬の腎・心血管保護を検証する必要がありました。
「糖尿病やアルブミン尿の有無を問わない広いCKD集団で、エンパグリフロジンは腎進行・心血管死を減らすか?」
研究デザインの読み方(PICO)
CKD(eGFR 20〜<45、または eGFR 45〜<90かつUACR≥200)。糖尿病あり・なし、アルブミン尿の有無を問わず
「糖尿病なし」「アルブミン尿なし」「eGFR下限20」まで意図的に含めた点が新しい
エンパグリフロジン 10mg/日+標準治療
既存治療への「上乗せ」効果を見る設計
プラセボ+標準治療
二重盲検
複合(腎進行=末期腎不全・持続eGFR<10・持続≥40%eGFR低下・腎死、または心血管死)
腎進行の閾値は「≥40%低下」
患者背景(要点):6,609例、観察期間中央値2.0年。約半数が UACR<300(非〜微量アルブミン尿)という、従来になく広い集団。
「糖尿病もアルブミン尿も問わず、eGFRは20まで」。これまでの腎試験で最も幅広いCKD集団です。
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総論を読む本ページは医学情報の学習・抄読会支援を目的とした要約であり、個別の診療判断を代替するものではありません。掲載の数値は原著に基づきますが、投与の可否・用量などの最終判断は、必ず原著論文および最新の診療ガイドラインをご確認ください。図表は出版社からの転載ではなく、要点を独自に記述・再構成しています。