重症感染症のアフリカ小児への輸液ボーラスと死亡(FEAST)
Maitland K. 重症感染症のアフリカ小児への輸液ボーラスと死亡(FEAST)(Mortality after Fluid Bolus in African Children with Severe Infection (FEAST)). N Engl J Med.(DOI: 10.1056/NEJMoa1101549 / PMID: 21615299)
ショックの子どもに急速輸液(ボーラス)——これは世界中の蘇生ガイドラインの常識だった。FEASTは、重症感染症+灌流障害のアフリカ小児3141例を、アルブミンボーラス・生食ボーラス・無ボーラス(維持輸液のみ)に無作為化。ボーラス群の48時間死亡は10.6%/10.5% vs 無ボーラス7.3%——ボーラスが死亡を増やした(絶対差3.3%、RR約1.45、P=0.003)。「輸液は多いほど良い」という前提を根底から問い直した、集中治療史上有数の衝撃的な陰性試験。
背景・CQ
ショックの小児への急速輸液(ボーラス)は各種蘇生ガイドラインで推奨されていたが、それを支持する質の高いエビデンスは乏しかった。資源の限られたアフリカの重症感染症小児で、ボーラスが死亡を減らすか(あるいは害になるか)を検証した。
資源の限られた環境の重症感染症小児において、輸液ボーラスは48時間死亡を減らすか、それとも害になるか?
研究デザイン(PICO)
2か月〜12歳の重症発熱性疾患(発熱/低体温)+意識障害または呼吸窮迫+灌流障害を持つ小児 3141例(ケニア・ウガンダ・タンザニアの6施設)。重度低血圧例・重度栄養失調・胃腸炎・外傷等は除外
20mL/kgの5%アルブミンボーラス、または20mL/kgの生食ボーラス(1時間で)
ボーラスなし(維持輸液4mL/kg/hのみ)
主要=48時間死亡
方法:無作為化・多施設試験(英国MRC資金、Baxter社が輸液を提供)。低血圧のない集団を3群(アルブミン/生食/無ボーラス)に、重度低血圧の別層はアルブミン vs 生食に割り付け。ISRCTN登録(ClinicalTrials.gov番号なし)。
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2011年、アフリカの小児3141例で、20 mL/kg のボーラスを入れた群のほうが多く死んだ。48時間死亡 10.6% / 10.5% 対 7.3%。世界中の蘇生ガイドラインが書いていた常識が、逆向きに壊れた瞬間であ…
総論を読む本ページは医学情報の学習・抄読会支援を目的とした要約であり、個別の診療判断を代替するものではありません。掲載の数値は原著に基づきますが、投与の可否・用量などの最終判断は、必ず原著論文および最新の診療ガイドラインをご確認ください。図表は出版社からの転載ではなく、要点を独自に記述・再構成しています。