重症患者への早期デクスメデトミジン鎮静(SPICE III)
Shehabi Y. 重症患者への早期デクスメデトミジン鎮静(SPICE III)(Early Sedation with Dexmedetomidine in Critically Ill Patients (SPICE III)). N Engl J Med.(DOI: 10.1056/NEJMoa1904710 / PMID: 31112380 / NCT01728558)
デクスメデトミジンは覚醒を保てる魅力的な鎮静薬——では最初から主役にすべきか。SPICE IIIは4000例を、早期デクスメデトミジン主体 vs 通常鎮静(プロポフォール/ミダゾラム)に無作為化。90日死亡は29.1% vs 29.1%で差なし。デクス群の6割超が目標鎮静に補助プロポフォールを要し、徐脈・低血圧が増えた。ただし高齢者では有益・若年では有害という年齢依存性が示唆された。"デクスを一律に主役にする根拠はない"を示した一本。
背景・CQ
デクスメデトミジン(α2作動薬)は呼吸抑制が少なく覚醒を保て、せん妄が少ない可能性があり、人工呼吸期間を短縮しうるとされた。しかし主要・唯一の鎮静薬として早期から用いた場合の効果は不明だった。早期デクスメデトミジン主体の鎮静が通常鎮静より90日死亡を改善するかを検証した。
早期にデクスメデトミジンを主要な鎮静薬とする戦略は、通常鎮静より90日死亡を改善するか?
研究デザイン(PICO)
人工呼吸開始12時間以内でさらに翌日以降も換気が見込まれる重症成人 4000例(8か国74 ICU)
早期デクスメデトミジンを主要/唯一の鎮静薬(1–1.5µg/kg/h、負荷なし。不足時に補助プロポフォール)
通常ケア(プロポフォール・ミダゾラム等)
主要=90日全死亡。副次=人工呼吸離脱日数・昏睡/せん妄なし日数・有害事象
方法:非盲検・無作為化・対照試験(mITT 3904例)。目標RASS -2〜+1。NHMRC豪州ほか公的資金(Pfizer/Orionが薬剤提供)。
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本ページは医学情報の学習・抄読会支援を目的とした要約であり、個別の診療判断を代替するものではありません。掲載の数値は原著に基づきますが、投与の可否・用量などの最終判断は、必ず原著論文および最新の診療ガイドラインをご確認ください。図表は出版社からの転載ではなく、要点を独自に記述・再構成しています。