重症予測の胆石性膵炎への緊急ERCP+乳頭切開(APEC)
Schepers NJ. 重症予測の胆石性膵炎への緊急ERCP+乳頭切開(APEC)(Urgent ERCP with Sphincterotomy versus Conservative Treatment in Predicted Severe Acute Gallstone Pancreatitis (APEC)). Lancet 2020.(DOI: 10.1016/S0140-6736(20)30539-0 / PMID: 32682482)
胆管炎を合併しない「重症と予測される」胆石性膵炎の患者232例を、来院24時間以内の緊急ERCP+胆道乳頭切開と保存的治療に1:1で割り付けた。主要評価項目である6か月以内の死亡または重大合併症(新規の持続性臓器不全、胆管炎、菌血症、肺炎、膵壊死、膵機能不全の複合)は、緊急ERCP群117例中45例(38%)vs 保存群113例中50例(44%)、リスク比0.87(95%CI 0.64–1.18)、p=0.37で有意差なし。個々の構成要素にも差はなく、唯一の例外が胆管炎で、2例(2%)vs 11例(10%)、RR 0.18(95%CI 0.04–0.78)、p=0.010と緊急ERCP群で少なかった。著者らは「胆管炎または持続する胆汁うっ滞がある患者に限ってERCPを行う」保存的戦略を支持している。
背景・CQ
胆管炎を合併しない胆石性膵炎に対して、緊急ERCPと胆道乳頭切開が転帰を改善するかは不明のままだった。
胆管炎を伴わない重症予測の胆石性膵炎に、来院24時間以内の緊急ERCP+乳頭切開を行うと、死亡・重大合併症は減るか?
研究デザイン(PICO)
胆管炎を伴わず、重症と予測される急性胆石性膵炎(APACHE IIスコア8以上、Imrieスコア3以上、またはCRP 150mg/L超)の患者232例(オランダ26施設)。最終解析は230例(緊急ERCP群117例/保存群113例)
来院24時間以内の緊急ERCP+胆道乳頭切開(118例に割り付け)
保存的治療(114例に割り付け)
主要=ランダム化から6か月以内の死亡または重大合併症の複合(新規の持続性臓器不全、胆管炎、菌血症、肺炎、膵壊死、膵機能不全)。副次=複合の個々の構成要素、有害事象
方法:RCT・多施設・並行群間・評価者盲検・優越性試験。オランダの26施設。2013年2月28日から2017年3月1日まで登録した。ブロックサイズをランダムに変えたウェブ上のランダム化モジュールで1:1に割り付けた。解析は intention to treat。割り付け後、緊急ERCP群の1例が入院時に胆管炎、保存群の1例が入院時に慢性膵炎と判明したため、それぞれ最終解析から除外され230例となった。資金は The Netherlands Organization for Health Research and Development、Fonds NutsOhra、およびオランダ膵疾患患者団体。試験登録は ISRCTN レジストリ ISRCTN97372133。
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本ページは医学情報の学習・抄読会支援を目的とした要約であり、個別の診療判断を代替するものではありません。掲載の数値は原著に基づきますが、投与の可否・用量などの最終判断は、必ず原著論文および最新の診療ガイドラインをご確認ください。図表は出版社からの転載ではなく、要点を独自に記述・再構成しています。