黄色ブドウ球菌菌血症にリファンピシンを上乗せするか(ARREST)
Thwaites GE. 黄色ブドウ球菌菌血症にリファンピシンを上乗せするか(ARREST)(Adjunctive Rifampicin for Staphylococcus aureus Bacteraemia (ARREST)). Lancet 2018.(DOI: 10.1016/S0140-6736(17)32456-X / PMID: 29249276)
黄色ブドウ球菌菌血症に対し、標準抗菌薬にリファンピシンを2週間上乗せする戦略を、二重盲検・プラセボ対照で検証した英国29施設の試験。仮説は「リファンピシンが早期の菌の殺菌を強め、感染巣と血液をより速く無菌化し、播種と転移性感染のリスクを減らす」というものだった。758例(リファンピシン370例、プラセボ388例)を割り付け、主要評価項目である12週までの細菌学的に確認された治療失敗・再発または全死亡は、リファンピシン群 62例(17%)vs プラセボ群 71例(18%)、絶対リスク差 −1.4%(95%CI −7.0〜4.3)、ハザード比 0.96(0.68〜1.35)、p=0.81。重篤な有害事象やGrade3〜4の有害事象に差は無かったが、抗菌薬または試験薬の変更を要する有害事象は 63例(17%)vs 39例(10%)、p=0.004、薬物相互作用は 24例(6%)vs 6例(2%)、p=0.0005 と、リファンピシン群で明確に多かった。「理屈は通っているのに効かない」典型例である。
背景・CQ
黄色ブドウ球菌菌血症は、市中感染・院内感染いずれにおいても重症感染症の一般的な原因である。リファンピシンは組織移行とバイオフィルム内での活性から、標準抗菌薬への上乗せによって早期の殺菌を強め、感染巣と血液をより速く無菌化し、播種と転移性感染のリスクを減らすのではないかと期待されてきた。
黄色ブドウ球菌菌血症に対し、標準抗菌薬に2週間のリファンピシンを上乗せすると、治療失敗・再発・死亡は減るか?
研究デザイン(PICO)
18歳以上で黄色ブドウ球菌菌血症を有し、有効な抗菌薬治療を受けた期間が96時間以内の成人 758例。英国29施設
2週間のリファンピシン上乗せ(体重に応じ1日600mgまたは900mg、経口または静注)+標準抗菌薬治療(370例)
外見の同じプラセボ+標準抗菌薬治療(388例)
主要=ランダム化から12週までの、細菌学的に確認された治療失敗または疾患再発、あるいは全死亡までの時間。独立した盲検の判定委員会が判定
方法:RCT・多施設・二重盲検・プラセボ対照。英国29施設で、有効な抗菌薬治療を受けた期間が96時間以内の18歳以上の黄色ブドウ球菌菌血症患者が組み入れられた。コンピュータ生成の連続割り付けリストにより1対1で割り付けられ、施設で層別化された。患者・研究者・診療にあたる医療者はいずれも割り付けに対して盲検化された。主要評価項目は独立した判定委員会が盲検下で判定し、解析はintention to treatで行われた。登録期間は2012年12月10日から2016年10月25日。資金提供は UK National Institute for Health Research Health Technology Assessment。試験登録は ISRCTN37666216。
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本ページは医学情報の学習・抄読会支援を目的とした要約であり、個別の診療判断を代替するものではありません。掲載の数値は原著に基づきますが、投与の可否・用量などの最終判断は、必ず原著論文および最新の診療ガイドラインをご確認ください。図表は出版社からの転載ではなく、要点を独自に記述・再構成しています。