動脈硬化性腎動脈狭窄に対する血行再建 vs 薬物療法(ASTRAL)
Wheatley K. 動脈硬化性腎動脈狭窄に対する血行再建 vs 薬物療法(ASTRAL)(Revascularization versus Medical Therapy for Renal-Artery Stenosis (ASTRAL)). N Engl J Med 2009.(DOI: 10.1056/NEJMoa0905368 / PMID: 19907042)
腎動脈狭窄にステントを入れれば開存はする。しかし臨床的な利益があるかは示されていなかった。ASTRALは動脈硬化性腎血管疾患の患者806例を、薬物療法単独と、薬物療法+血行再建に無作為に割り付けた非盲検試験である。追跡期間中央値34か月。主要評価項目は血清クレアチニンの逆数の傾き(腎機能低下の速度)で、血行再建群 −0.07×10⁻³ L/µmol/年、薬物療法群 −0.13×10⁻³ L/µmol/年、差は0.06×10⁻³(95%CI −0.002〜0.13、p=0.06)で有意差なし。腎イベント HR 0.97(0.67–1.40、p=0.88)、主要心血管イベント HR 0.94(0.75–1.19、p=0.61)、死亡 HR 0.90(0.69–1.18、p=0.46)といずれも差がない一方、血行再建に伴う重篤な合併症が23例(死亡2例、足趾または四肢の切断3例を含む)に生じた。
背景・CQ
動脈硬化性腎血管疾患に対する経皮的腎動脈血行再建は、腎動脈の開存性を改善する。しかしそれが腎機能の保持、血圧の低下、心血管イベントや死亡の減少という臨床的な利益につながるかどうかのエビデンスは限られていた。
動脈硬化性腎血管疾患の患者において、薬物療法に腎動脈血行再建を加えると腎機能は保たれるか?
研究デザイン(PICO)
動脈硬化性腎血管疾患の患者806例
薬物療法に加えて経皮的腎動脈血行再建を行う
薬物療法単独
主要=腎機能(血清クレアチニンの逆数の傾き。クレアチニンクリアランスと線形の関係をもつ指標)。副次=血圧、腎イベントまでの時間、主要心血管イベントまでの時間、死亡
方法:RCT・非盲検・並行群間。806例を血行再建追加群と薬物療法単独群に無作為に割り付けた。追跡期間中央値は34か月で、腎機能の傾きは5年間にわたって評価された。主要評価項目には血清クレアチニンの逆数の傾きを用い、これはクレアチニンクリアランスと線形の関係をもつ指標である。副次評価項目は血圧、腎イベントおよび主要心血管イベントまでの時間、ならびに死亡。血行再建に伴う重篤な合併症も集計された。試験登録は Current Controlled Trials ISRCTN59586944。
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本ページは医学情報の学習・抄読会支援を目的とした要約であり、個別の診療判断を代替するものではありません。掲載の数値は原著に基づきますが、投与の可否・用量などの最終判断は、必ず原著論文および最新の診療ガイドラインをご確認ください。図表は出版社からの転載ではなく、要点を独自に記述・再構成しています。