院内心停止への重炭酸ナトリウム静注(デンマーク多施設RCT)
Granfeldt A. 院内心停止への重炭酸ナトリウム静注(デンマーク多施設RCT)(Sodium Bicarbonate for In-Hospital Cardiac Arrest). JAMA 2026.(DOI: 10.1001/jama.2026.10628 / PMID: 42273960 / NCT05564130)
デンマーク21施設で、院内心停止に対しアドレナリンを1回以上投与した成人を、重炭酸ナトリウム最大100mmolの静注群とプラセボ群に二重盲検で割り付けた。主要評価項目である持続的自己心拍再開(ROSC)は重炭酸群146例(39%)vs プラセボ群150例(37%)、リスク比1.05(95%CI 0.88–1.24)、P=.62で差がなかった。30日生存は12% vs 9.1%(RR 1.25、95%CI 0.84–1.88)、30日時点で神経学的予後良好(mRS 0–3)だったのは8.1% vs 5.4%(RR 1.39、95%CI 0.82–2.34)で、いずれも信頼区間が1をまたぐ。一方でアルカローシスと高ナトリウム血症は重炭酸群に多かった。「蘇生中に何となく押していた1本」を、初めて盲検RCTで正面から否定した試験である。
背景・CQ
院内心停止の予後は不良である。重炭酸ナトリウムは心停止中にしばしば投与されてきたが、臨床アウトカムに対する効果は分かっていなかった。
院内心停止の蘇生中に重炭酸ナトリウムを投与すると、持続的な自己心拍再開が得られる患者の割合は増えるか?
研究デザイン(PICO)
デンマーク21施設で院内心停止をきたし、アドレナリンを1回以上投与された成人。913例を割り付け、779例が主要解析対象(重炭酸群372例/プラセボ群407例)。スクリーニングは2,913例。年齢中央値73歳(IQR 64–79)、男性502例(64%)
重炭酸ナトリウム 最大100mmol 静注(372例)
プラセボ 静注(407例)
主要=持続的自己心拍再開(sustained ROSC)。主な副次=30日生存、30日時点の神経学的予後良好な生存(modified Rankin Scale 0–3)。安全性=心停止後のアルカローシス・高ナトリウム血症
方法:RCT・多施設・二重盲検・プラセボ対照・並行群間。デンマークの21施設。2023年2月6日から2026年2月11日まで登録し、最終の90日追跡は2026年5月4日、最終解析は2026年5月5日に実施された。組入れはアドレナリンを1回以上投与された院内心停止の成人で、重炭酸ナトリウム最大100mmolまたはプラセボを静脈内投与した。主要評価項目は持続的ROSC。副次評価項目として30日生存、および modified Rankin Scale 0–3を良好と定義した30日時点の神経学的予後良好な生存を置いた。試験登録は ClinicalTrials.gov NCT05564130 および ClinicalTrialsRegister.eu 2022-501304-10-00。
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本ページは医学情報の学習・抄読会支援を目的とした要約であり、個別の診療判断を代替するものではありません。掲載の数値は原著に基づきますが、投与の可否・用量などの最終判断は、必ず原著論文および最新の診療ガイドラインをご確認ください。図表は出版社からの転載ではなく、要点を独自に記述・再構成しています。