小児の細菌性髄膜炎を示唆する所見はどれか ― 前向きデータのシステマティックレビュー
Curtis S. 小児の細菌性髄膜炎を示唆する所見はどれか ― 前向きデータのシステマティックレビュー(Clinical Features Suggestive of Meningitis in Children: A Systematic Review of Prospective Data). Pediatrics 2010.(DOI: 10.1542/peds.2010-0277 / PMID: 20974781)
小児の細菌性髄膜炎について、前向きに収集された臨床所見の診断精度だけを集めたシステマティックレビュー。Medline、Embase、CINAHL、Web of Science、PubMed から14,145件を同定し、細菌学的に確認された細菌性髄膜炎の小児と、そうでない対照群の両方について前向きデータを持つ10件が組み入れられた。病歴では、大泉門膨隆の申告(陽性尤度比 LR 8.00、95%CI 2.4〜26)、項部硬直(7.70、3.2〜19)、熱性けいれんの年齢範囲外のけいれん(4.40、3.0〜6.4)、哺乳低下(2.00、1.2〜3.4)が髄膜炎を疑わせた。診察では、黄疸(5.90、1.8〜19)、中毒様・瀕死様の外観(5.80、3.0〜11)、髄膜刺激徴候(4.50、2.4〜8.3)、項部硬直(4.00、2.6〜6.3)、大泉門膨隆(3.50、2.0〜6.0)、Kernig徴候(3.50、2.1〜5.7)、筋緊張亢進(3.20、2.2〜4.5)、40℃超の発熱(2.90、1.6〜5.5)、Brudzinski徴候(2.50、1.8〜3.6)がそれぞれ独立して尤度を上げた。尤度を下げるのは髄膜刺激徴候がないこと(LR 0.41、0.30〜0.57)と啼泣の異常がないこと(0.30、0.16〜0.57)。発熱がないことでは髄膜炎を除外できなかった(LR 0.70、0.53〜0.92)。
背景・CQ
小児髄膜炎の臨床診断は基本である。したがって、髄膜炎を示唆する臨床所見を裏づけるエビデンスを把握しておくことが重要になる。
小児の細菌性髄膜炎において、個々の臨床所見はどの程度の診断精度を持つのか?
研究デザイン(PICO)
細菌学的に確認された細菌性髄膜炎の小児と、髄膜炎のない比較群の小児。前向きデータを持つ研究10件
病歴および身体所見(大泉門膨隆、項部硬直、けいれん、哺乳低下、黄疸、中毒様外観、髄膜刺激徴候、Kernig徴候、Brudzinski徴候、筋緊張、発熱の高さなど)
所見が陰性である場合、および細菌性髄膜炎のない比較群
各臨床所見の陽性尤度比・陰性尤度比(診断精度)
方法:システマティックレビュー・前向きデータ限定。Medline、Embase、Cumulative Index to Nursing and Allied Health Literature、Web of Science、PubMed を検索し、関連するすべての論文をレビューした。組み入れは、検査で確認された細菌性髄膜炎の小児と、それを持たない比較群における臨床所見の前向きデータを含む論文に限った。2名の著者が独立して質を評価しデータを抽出し、臨床所見の診断精度を計算した。なお、組み入れ10件に含まれる患者の合計数は抄録に記載がなく、取得できていない(要・原著確認)。
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本ページは医学情報の学習・抄読会支援を目的とした要約であり、個別の診療判断を代替するものではありません。掲載の数値は原著に基づきますが、投与の可否・用量などの最終判断は、必ず原著論文および最新の診療ガイドラインをご確認ください。図表は出版社からの転載ではなく、要点を独自に記述・再構成しています。