待機的心臓手術の前日から始めるダパグリフロジン4回投与で術後AKIは減るか
Oosterom-Eijmael MJP. 待機的心臓手術の前日から始めるダパグリフロジン4回投与で術後AKIは減るか(Dapagliflozin and Acute Kidney Injury Following Cardiac Surgery). JAMA 2026.(DOI: 10.1001/jama.2026.9268 / PMID: 42530910 / NCT05590143)
心臓手術後の急性腎障害(AKI)は2〜50%に起こるが、これを予防できる薬は見つかっていなかった。オランダの7施設(大学病院2+非大学病院5)で、待機的心臓手術を受ける成人784例を、手術前日からダパグリフロジン10mg/日 vs プラセボに1:1で無作為化。投与は術後2日目までの計4回だけである。主要評価項目である術後7日以内のAKI(KDIGO基準)は、ダパグリフロジン群28% vs プラセボ群52%、相対リスク0.54(95%CI 0.45–0.65)、P<.001。心房細動は45%(176/392)vs 45%(176/392)、再手術は11%(43/392)vs 10%(39/392)と同等だった。4回の内服という介入の軽さと、効果の大きさのギャップが際立つ試験である。
背景・CQ
待機的心臓手術を受ける患者の2%から50%が、術後に急性腎障害を発症する。しかし、待機的心臓手術後のAKIを予防できる薬剤はこれまで同定されていなかった。SGLT2阻害薬は心不全・慢性腎臓病で腎保護作用が示されているが、周術期という短期間の投与でAKIを減らせるかは分かっていなかった。
待機的心臓手術の前日からダパグリフロジンを開始すると、術後7日以内の急性腎障害の発症率は下がるか?
研究デザイン(PICO)
待機的心臓手術を受ける成人 784例(年齢中央値68歳[IQR 61–74]、男性76%、白人97%、BMI中央値27[IQR 25–30]、eGFR中央値80 mL/min/1.73m²[IQR 67–89])
ダパグリフロジン10mg 経口1日1回(392例)。手術前日に開始し術後2日目まで、計4回投与
プラセボ1日1回(392例)。同じスケジュール
主要=術後7日以内の急性腎障害(KDIGO基準:術後48時間以内に血清クレアチニンが0.3mg/dL以上上昇、または術後7日以内に1.5倍以上上昇、または尿量が6〜12時間にわたり0.5mL/kg/h未満)の発症率の群間差
方法:RCT・多施設・二重盲検・プラセボ対照・並行群間。オランダの大学病院2施設と非大学病院5施設で実施された。登録期間は2023年6月8日から2025年1月27日、最終追跡は2025年5月16日。対象は待機的心臓手術を受ける成人で、1:1にダパグリフロジン10mg経口またはプラセボへ無作為化し、手術前日から術後2日目まで1日1回、計4回投与した。主要評価項目は術後7日間の急性腎障害の発症率の群間差で、AKIは KDIGO 基準(術後48時間以内の血清クレアチニン0.3mg/dL以上の上昇、術後7日以内の1.5倍上昇、または6〜12時間の尿量0.5mL/kg/h未満)で定義された。
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本ページは医学情報の学習・抄読会支援を目的とした要約であり、個別の診療判断を代替するものではありません。掲載の数値は原著に基づきますが、投与の可否・用量などの最終判断は、必ず原著論文および最新の診療ガイドラインをご確認ください。図表は出版社からの転載ではなく、要点を独自に記述・再構成しています。