既治療HER2陽性胃癌へのトラスツズマブ デルクステカン(DESTINY-Gastric01)
Shitara K. 既治療HER2陽性胃癌へのトラスツズマブ デルクステカン(DESTINY-Gastric01)(Trastuzumab Deruxtecan in Previously Treated HER2-Positive Gastric Cancer (DESTINY-Gastric01)). N Engl J Med 2020.(DOI: 10.1056/NEJMoa2004413 / PMID: 32469182 / NCT03329690)
トラスツズマブを含む2レジメン以上の治療後に増悪した、中央判定でHER2陽性の胃・食道胃接合部腺癌を、トラスツズマブ デルクステカン(6.4mg/kg 3週ごと)と医師選択の化学療法に2:1で割り付けた第2相試験。治療を受けた187例(デルクステカン125例、化学療法62例=イリノテカン55例・パクリタキセル7例)で、主要評価項目である独立中央判定の客観的奏効率は51% vs 14%(P<0.001)。全生存中央値は12.5か月 vs 8.4か月、死亡のハザード比0.59(95%CI 0.39–0.88、P=0.01)だった。一方、Grade3以上の好中球数減少が51% vs 24%、貧血が38% vs 23%。デルクステカンに関連する間質性肺疾患/肺臓炎が12例(Grade1–2が9例、Grade3–4が3例)に判定され、薬剤関連死1例(肺炎)が報告されている。
背景・CQ
トラスツズマブ デルクステカン(DS-8201)は、抗HER2抗体・切断可能な4残基ペプチドリンカー・細胞傷害性トポイソメラーゼI阻害薬から成る抗体薬物複合体である。HER2陽性の進行胃癌に対して有効である可能性が考えられていた。
トラスツズマブを含む既治療のHER2陽性進行胃癌に、トラスツズマブ デルクステカンは医師選択の化学療法より奏効をもたらすか?
研究デザイン(PICO)
中央判定でHER2陽性が確認された胃・食道胃接合部腺癌のうち、トラスツズマブを含む2レジメン以上の治療中に増悪した患者187例(治療を受けた集団)
トラスツズマブ デルクステカン 6.4mg/kg(体重あたり)を3週ごと静注(125例)
医師選択の化学療法(62例。内訳はイリノテカン55例、パクリタキセル7例)
主要=独立中央判定による客観的奏効。副次=全生存、奏効期間、無増悪生存、確定奏効(4週以上持続する奏効)、安全性
方法:RCT・第2相・多施設・非盲検。中央判定でHER2陽性が確認された胃または食道胃接合部の腺癌で、トラスツズマブを含む2つ以上の前治療中に増悪した患者を、トラスツズマブ デルクステカンと医師選択の化学療法に2:1の比で無作為に割り付けた。主要評価項目は独立中央判定に基づく客観的奏効。副次評価項目は全生存、奏効期間、無増悪生存、4週以上持続する確定奏効、安全性。間質性肺疾患/肺臓炎は独立委員会による判定(adjudication)を受けている。全生存の解析には、死亡数に基づく O'Brien-Fleming 型の事前規定境界(0.0202)が置かれた。試験登録は NCT03329690。資金は第一三共。
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本ページは医学情報の学習・抄読会支援を目的とした要約であり、個別の診療判断を代替するものではありません。掲載の数値は原著に基づきますが、投与の可否・用量などの最終判断は、必ず原著論文および最新の診療ガイドラインをご確認ください。図表は出版社からの転載ではなく、要点を独自に記述・再構成しています。