小児ICUで胃残量を測るのをやめる(GASTRIC-PICU)
Tume LN. 小児ICUで胃残量を測るのをやめる(GASTRIC-PICU)(Gastric Residual Volume Assessment in Critically Ill Children (GASTRIC-PICU)). JAMA 2026.(DOI: 10.1001/jama.2026.10639 / PMID: 42283228)
人工呼吸を受けている小児に経腸栄養を行うとき、胃残量(gastric residual volume, GRV)を定期的に測って投与の可否を判断するのが世界的に広く行われてきた。しかし根拠はない。むしろ「残っている」と判断して栄養を止めてしまい、必要量に届かないという弊害が指摘されてきた。英国の23施設とスイスの1施設、計24のPICUで4700例を無作為化。臨床側の共主要評価項目(非劣性)である「30日時点の生存と人工呼吸離脱日数の複合」は、両群とも中央値25日(IQR 21–27)、補正オッズ比0.95(95%CI 0.86〜1.05) で非劣性。栄養側の共主要評価項目(優越性)である「72時間までに必要エネルギーを満たせた児の割合」は 80.3% vs 76.8%、補正平均差 3.2パーセントポイント(95%CI 1.3〜5.2)、P<0.001 で、測らない群のほうが良かった。
背景・CQ
重症小児の経腸栄養では、胃残量を定期的に吸引して測り、その量をもとに栄養を進めるか止めるかを判断する運用が広く行われている。しかしこの運用が転帰を良くするという根拠はない。むしろ「胃残量が多い」と受け取られた結果、栄養が保留され、必要量に届かないという不利益が生じているのではないかと指摘されてきた。
人工呼吸中の小児で、胃残量の定期測定をやめても安全か。そして栄養は良くなるか?
研究デザイン(PICO)
0〜16歳で侵襲的人工呼吸を受け、経腸栄養を開始する小児 4700例(無作為化)。ITT解析対象は4460例
胃残量の定期測定を行わない(2352例)。栄養の忍容性は臨床所見のみで判断する
通常ケア=6時間ごとの胃残量測定(2348例)
共主要=①30日時点の生存と人工呼吸離脱日数の複合(非劣性)②72時間までに必要エネルギーを満たせた児の割合(優越性)
方法:RCT・多施設・実践的・非劣性(共主要評価項目の一方)。英国23施設とスイス1施設、計24のPICU。2023年6月29日から2025年12月7日に登録し、30日追跡は2026年1月6日に完了した。1:1で割り付け、介入群では胃残量を測らず臨床所見のみで忍容性を評価した。それ以外の経腸栄養の手順は各施設のプロトコルに従った。
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本ページは医学情報の学習・抄読会支援を目的とした要約であり、個別の診療判断を代替するものではありません。掲載の数値は原著に基づきますが、投与の可否・用量などの最終判断は、必ず原著論文および最新の診療ガイドラインをご確認ください。図表は出版社からの転載ではなく、要点を独自に記述・再構成しています。