急性消化管出血に対する高用量トラネキサム酸24時間持続投与(HALT-IT)
. 急性消化管出血に対する高用量トラネキサム酸24時間持続投与(HALT-IT)(High-Dose 24-h Infusion of Tranexamic Acid in Acute Gastrointestinal Bleeding (HALT-IT)). Lancet 2020.(DOI: 10.1016/S0140-6736(20)30848-5 / PMID: 32563378 / NCT01658124)
トラネキサム酸は手術時の出血を減らし、外傷患者では出血死を減らすことが示されていた。小規模試験のメタ解析では消化管出血でも死亡を減らす可能性が示唆されていた。HALT-ITは15か国164施設で12009例を組み入れ、トラネキサム酸(1g負荷+3gを24時間持続、総量4g)とプラセボを比較した。主要評価の5日以内の出血死は222/5956例(4%)対226/5981例(4%)、RR 0.99(95%CI 0.82–1.18)で差なし。動脈血栓塞栓症も0.7%対0.8%で差なし。一方、静脈血栓塞栓症は48例(0.8%)対26例(0.4%)、RR 1.85(95%CI 1.15–2.98)と有意に増加し、けいれんも38例(0.6%)対22例(0.4%)、RR 1.73(95%CI 1.03–2.93)と有意に増えた。著者は「無作為化試験の文脈以外では消化管出血の治療に使うべきでない」と結論している。
背景・CQ
トラネキサム酸は手術時の出血を減らし、外傷患者では出血死を減らすことが示されていた。小規模試験のメタ解析では、消化管出血でも死亡を減らす可能性が示唆されていた。
急性消化管出血の患者で、トラネキサム酸は出血による死亡を減らすか?
研究デザイン(PICO)
担当医がトラネキサム酸を使うべきか迷った成人(各国で成人とみなされる最低年齢=16歳以上または18歳以上)で、出血死のリスクがあると判断される重大な上部または下部消化管出血 12009例
トラネキサム酸1gを0.9%生理食塩水100mLに加えて10分かけて静注(負荷)、続いて3gを等張輸液1Lに加え125mg/時で24時間持続投与(総量4g、5994例)
プラセボ(0.9%塩化ナトリウム、6015例)
主要=無作為化から5日以内の出血による死亡。副次=動脈血栓塞栓症(心筋梗塞または脳卒中)、静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症または肺塞栓症)
方法:RCT・国際多施設・二重盲検・プラセボ対照。15か国164施設で2013年7月4日から2019年6月21日まで実施した。番号付きの治療パック(8パック入りの箱から、パック番号以外は同一)を選ぶ方式で割り付け、患者・介護者・アウトカム評価者はいずれも割り付けに盲検化された。主要評価の解析からは、割り付け治療をいずれも受けなかった患者と、死亡に関するアウトカムデータが得られなかった患者を除外している。資金は UK National Institute for Health Research Health Technology Assessment Programme。
この続きは、無料登録で読めます。
登録に必要なのは、メールアドレスとパスワードだけです。カードの登録は要りません。
登録すると、この論文の続きを含めて、毎週3本まで、どの論文でも本文が読めます(毎週月曜にリセット)。
- 主な結果
- 臨床への落とし込み
- 結論
- 解釈と限界
すべて読みたい方は、登録後にプレミアムを14日間¥0で試せます(カード登録が必要)。
本ページは医学情報の学習・抄読会支援を目的とした要約であり、個別の診療判断を代替するものではありません。掲載の数値は原著に基づきますが、投与の可否・用量などの最終判断は、必ず原著論文および最新の診療ガイドラインをご確認ください。図表は出版社からの転載ではなく、要点を独自に記述・再構成しています。