HER2陽性進行胃・食道胃接合部腺癌への一次治療:ザニダタマブ+化学療法(±チスレリズマブ)vs トラスツズマブ+化学療法(HERIZON-GEA-01)
Shitara K. HER2陽性進行胃・食道胃接合部腺癌への一次治療:ザニダタマブ+化学療法(±チスレリズマブ)vs トラスツズマブ+化学療法(HERIZON-GEA-01)(Zanidatamab with and without Tislelizumab in HER2-Positive Gastroesophageal Cancer (HERIZON-GEA-01)). N Engl J Med 2026.(DOI: 10.1056/NEJMoa2517729 / PMID: 42202319 / NCT05152147)
HER2陽性の進行胃・食道胃接合部腺癌に対する一次治療は、長くトラスツズマブ+化学療法が標準だった。ザニダタマブは HER2 の2か所(ECD2とECD4)に同時に結合する二重特異性抗体である。本試験は未治療・中央判定でHER2陽性と確認された進行胃食道腺癌を 1:1:1 で、ザニダタマブ+チスレリズマブ+化学療法(302例)、ザニダタマブ+化学療法(304例)、トラスツズマブ+化学療法(308例)に割り付けたオープンラベル第3相試験である。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)の2つ。追跡期間中央値 25.9か月で、PFS中央値は 12.4か月/12.4か月/8.1か月(ザニダタマブ+チスレリズマブ+化学療法の HR 0.63、95%CI 0.51〜0.78/ザニダタマブ+化学療法の HR 0.65、95%CI 0.52〜0.81、いずれも P<0.001)。OS中央値は、ザニダタマブ+チスレリズマブ+化学療法で 26.4か月 vs 19.2か月(HR 0.72、95%CI 0.57〜0.90、P=0.004)と延長した。一方、ザニダタマブ+化学療法の OS は 24.4か月(HR 0.80、95%CI 0.64〜1.01、P=0.06)で、この中間解析時点では有意差に至っていない。Grade 3以上の有害事象は 83.3%/73.8%/74.5%、下痢は 24.8%/20.0%/12.9% だった。
背景・CQ
HER2陽性の進行胃・食道胃接合部腺癌では、トラスツズマブ+化学療法が長年の一次治療標準だったが、生存期間の上乗せは限定的で、耐性も早期に生じる。ザニダタマブは HER2 の2つの異なるエピトープに同時に結合する二重特異性抗体で、受容体のクラスター化・内在化を促す設計になっている。第2相試験では、化学療法との併用、および抗PD-1抗体チスレリズマブとの3剤併用で有望な成績が示されていた。
未治療のHER2陽性進行胃食道腺癌において、ザニダタマブ+化学療法(チスレリズマブの有無を問わず)は、トラスツズマブ+化学療法より無増悪生存期間と全生存期間を延長するか?
研究デザイン(PICO)
未治療で、中央判定によりHER2陽性と確認された進行胃・食道胃接合部腺癌の患者 914例
①ザニダタマブ+チスレリズマブ+化学療法(302例)/②ザニダタマブ+化学療法(304例)
トラスツズマブ+化学療法(308例)
主要=無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)の2つ。副次・安全性=Grade 3以上の有害事象、下痢
方法:RCT・第3相・オープンラベル・1対1対1割り付け。未治療かつ中央判定でHER2陽性と確認された進行胃・食道胃接合部腺癌の患者を、ザニダタマブ+チスレリズマブ+化学療法、ザニダタマブ+化学療法、トラスツズマブ+化学療法の3群に1:1:1で割り付けた。主要評価項目は無増悪生存期間と全生存期間の2つである。本報告は追跡期間中央値25.9か月時点の解析で、全生存期間については中間解析にあたる。
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本ページは医学情報の学習・抄読会支援を目的とした要約であり、個別の診療判断を代替するものではありません。掲載の数値は原著に基づきますが、投与の可否・用量などの最終判断は、必ず原著論文および最新の診療ガイドラインをご確認ください。図表は出版社からの転載ではなく、要点を独自に記述・再構成しています。