ILD関連肺高血圧への吸入トレプロスチニル(INCREASE)
Waxman A. ILD関連肺高血圧への吸入トレプロスチニル(INCREASE)(Inhaled Treprostinil in Pulmonary Hypertension Due to Interstitial Lung Disease (INCREASE)). N Engl J Med.(DOI: 10.1056/NEJMoa2008470 / PMID: 33440084 / NCT02630316)
ILD(間質性肺疾患)に肺高血圧(PH)を合併すると予後が悪い。だが第3群PHでは肺血管拡張薬がしばしば無効、時に有害だった(リオシグアトは重篤な害で中止)。INCREASEは、吸入トレプロスチニルをILD関連PHに16週投与し、主要評価の6分歩行距離を有意に改善(差31.12m)。NT-proBNPも低下、臨床的悪化も減少。"失敗続きだった領域で初めて効いた"、この群唯一の承認治療となった朗報の一本。
背景・CQ
WHO第3群PH(肺疾患に伴うPH)では、有効な治療がなく、PAH(第1群)用の血管拡張薬はしばしば無効で、換気血流不均衡の悪化などで有害となることもあった(リオシグアトのRISE-IIPは重篤な害で早期中止)。吸入トレプロスチニル(肺局所に届くプロスタサイクリン誘導体)がILD関連PHで運動耐容能を改善するかを検証した。
肺疾患に伴う第3群肺高血圧(ILD関連PH)に対し、吸入トレプロスチニルは運動耐容能を改善するか?
研究デザイン(PICO)
ILDに肺高血圧を合併(右心カテーテルで確認、WHO第3群)した成人 326例
吸入トレプロスチニル(1回3吸入から9〜12吸入・1日4回へ漸増)163例
プラセボ 163例
主要=16週時のベースラインからの6分歩行距離(6MWD)変化
方法:多施設・無作為化・二重盲検・プラセボ対照・16週試験。副次にNT-proBNP、臨床的悪化(心肺入院・6MWDの15%超低下・肺移植・死亡)、QOLなど。
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本ページは医学情報の学習・抄読会支援を目的とした要約であり、個別の診療判断を代替するものではありません。掲載の数値は原著に基づきますが、投与の可否・用量などの最終判断は、必ず原著論文および最新の診療ガイドラインをご確認ください。図表は出版社からの転載ではなく、要点を独自に記述・再構成しています。