人工呼吸中の鎮痛鎮静に低用量ケタミンを足すとオピオイドは減るか(ケタミン鎮痛鎮静RCT)
Casamento AJ. 人工呼吸中の鎮痛鎮静に低用量ケタミンを足すとオピオイドは減るか(ケタミン鎮痛鎮静RCT)(Ketamine for Analgosedation in Mechanically Ventilated Adults: A Double-Blind Randomized Trial). Crit Care Med 2026.(DOI: 10.1097/CCM.0000000000007341 / PMID: 42704275)
ICUで人工呼吸を受け、鎮痛鎮静のためにオピオイドを持続投与されている成人120例を、低用量ケタミン持続投与(0.15mg/kg/時)とプラセボに割り付けたオーストラリアの二重盲検試験(2施設、心臓外科術後は除外)。主要評価項目の1時間あたりのオピオイド量(フェンタニル換算)の中央値は、ケタミン群64µg/時、プラセボ群77µg/時で、差の中央値は−13.0µg/時(95%信用区間 −26.6〜2.4)、ケタミンが有益である確率は95.1%とベイズ流に報告された。せん妄や重大な有害事象を含む副次評価項目の多くに差はなかった。著者はオピオイドの減少と関連し安全そうだとしつつ、患者中心のアウトカムには大規模試験が必要と結論している。
背景・CQ
人工呼吸中の患者では、鎮痛を優先した鎮静(analgosedation)が推奨され、オピオイドの持続投与が広く使われている。一方でオピオイドの量が増えると、腸管運動の低下や離脱の遅れなどが問題になる。ケタミンは呼吸や血圧を抑えにくい鎮痛薬で、オピオイドを減らす補助として使われることがあるが、ICUでの役割ははっきりしていなかった。
人工呼吸中の鎮痛鎮静に低用量ケタミンを追加すると、必要なオピオイド量は減るか?
研究デザイン(PICO)
ICUで人工呼吸を受け、鎮痛鎮静のためオピオイド持続投与中の成人120例(心臓外科術後を除く、オーストラリア・メルボルンの2施設)
低用量ケタミン持続投与 0.15mg/kg/時(59例)、人工呼吸の期間中
プラセボ(61例)
主要=1時間あたりのオピオイド投与量(フェンタニル換算)。副次=せん妄、28日までの人工呼吸器非使用日数・ICU外日数・病院外日数など
方法:RCT・2施設・二重盲検・プラセボ対照。オーストラリア・メルボルンの大学関連ICU 2施設で、2022年9月から2024年12月まで実施した。人工呼吸中でオピオイド持続投与を受けている成人(心臓外科術後を除く)を、人工呼吸の期間中に低用量ケタミン(0.15mg/kg/時)を持続投与する群とプラセボ群に割り付けた。538例をスクリーニングし、413例が除外基準に該当、5例が同意を撤回し、120例(ケタミン群59例、プラセボ群61例)を主要解析に含めた。主要評価項目は1時間あたりのオピオイド量(フェンタニル換算)で、結果は95%信用区間と有益である確率で示すベイズ流の解析で報告された。試験登録番号は抄録からは取得できていない。
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本ページは医学情報の学習・抄読会支援を目的とした要約であり、個別の診療判断を代替するものではありません。掲載の数値は原著に基づきますが、投与の可否・用量などの最終判断は、必ず原著論文および最新の診療ガイドラインをご確認ください。図表は出版社からの転載ではなく、要点を独自に記述・再構成しています。