転移性膵癌の一次治療 NALIRIFOX vs nab-パクリタキセル+ゲムシタビン(NAPOLI 3)
Wainberg ZA. 転移性膵癌の一次治療 NALIRIFOX vs nab-パクリタキセル+ゲムシタビン(NAPOLI 3)(NALIRIFOX versus Nab-Paclitaxel and Gemcitabine in Metastatic Pancreatic Ductal Adenocarcinoma (NAPOLI 3)). Lancet 2023.(DOI: 10.1016/S0140-6736(23)01366-1 / PMID: 37708904 / NCT04083235)
未治療の転移性膵管腺癌(PS 0または1)770例を、NALIRIFOX(リポソーマルイリノテカン50mg/m²+オキサリプラチン60mg/m²+ロイコボリン400mg/m²+フルオロウラシル2400mg/m²を46時間持続、28日サイクルの1日目と15日目)と、nab-パクリタキセル125mg/m²+ゲムシタビン1000mg/m²(28日サイクルの1・8・15日目)に1:1で割り付けた。主要評価項目の全生存期間中央値は 11.1か月(95%CI 10.0–12.1)vs 9.2か月(8.3–10.6)、ハザード比0.83(95%CI 0.70–0.99)、p=0.036。Grade3以上の治療下有害事象は87% vs 86%とほぼ同じで、治療関連死は6例(2%)vs 8例(2%)だった。約2か月の上乗せを、毒性を増やさずに得た試験である。
背景・CQ
膵管腺癌は依然として最も予後の悪い悪性腫瘍のひとつで、治療の選択肢は限られている。転移性膵癌の一次治療としては FOLFIRINOX 系レジメンと nab-パクリタキセル+ゲムシタビンが用いられてきたが、両者を直接比較した第3相試験は乏しかった。
未治療の転移性膵管腺癌において、NALIRIFOX は nab-パクリタキセル+ゲムシタビンより全生存期間を延ばすか?
研究デザイン(PICO)
転移性膵管腺癌でECOG PS 0または1の未治療患者770例(18か国187施設)
NALIRIFOX(リポソーマルイリノテカン50mg/m²、オキサリプラチン60mg/m²、ロイコボリン400mg/m²、フルオロウラシル2400mg/m²を46時間かけて順次持続静注)を28日サイクルの1日目と15日目(383例)
nab-パクリタキセル125mg/m²+ゲムシタビン1000mg/m²を28日サイクルの1・8・15日目に静注(387例)
主要=intention-to-treat集団における全生存期間。安全性=1回以上投与を受けた全例で評価
方法:RCT・第3相・多施設・非盲検・並行群間。ヨーロッパ・北米・南米・アジア・オーストラリアの18か国187施設(市中病院およびアカデミック施設)で実施。2020年2月19日〜2021年8月17日に770例を1:1に割り付けた。ブロックランダム化は地域、PS、肝転移の有無で層別化し、対話型ウェブ応答システムで管理された。主要評価項目は両群合計で543件以上のイベントが観察された時点で評価。安全性は試験治療を1回以上受けた全例で評価した。資金は Ipsen。試験登録は NCT04083235。
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本ページは医学情報の学習・抄読会支援を目的とした要約であり、個別の診療判断を代替するものではありません。掲載の数値は原著に基づきますが、投与の可否・用量などの最終判断は、必ず原著論文および最新の診療ガイドラインをご確認ください。図表は出版社からの転載ではなく、要点を独自に記述・再構成しています。