急性・亜急性腰痛の慢性化予防:脊椎マニピュレーションと医療者支援型セルフマネジメント(PACBACK)
Bronfort G. 急性・亜急性腰痛の慢性化予防:脊椎マニピュレーションと医療者支援型セルフマネジメント(PACBACK)(Spinal Manipulation and Clinician-Supported Self-Management for Preventing Chronic Low Back Pain Impact (PACBACK)). JAMA Intern Med 2026.(DOI: 10.1001/jamainternmed.2026.1893 / PMID: 42223934 / NCT03581123)
急性・亜急性の腰痛は、リスクの高い患者ではしばしば慢性の「生活に影響する腰痛」へ進行する。それを防ぐ最良の方法は分かっていなかった。PACBACK は、慢性化リスクが中〜高の急性・亜急性腰痛の成人 1000例を、2×2要因デザインで ①脊椎マニピュレーション ②医療者支援型セルフマネジメント ③両者の併用 ④ガイドラインに基づく医学的ケア に割り付け、8週間介入した試験である。主要評価項目は10〜12か月時点の平均腰痛インパクトスコア(NIH タスクフォース尺度、8点〔最良〕〜50点〔最悪〕)。主要評価項目の omnibus 検定は有意(p=0.006)で、群間差は セルフマネジメント vs 医学的ケア −1.7点(95%CI −2.7 〜 −0.6)、併用 vs 医学的ケア −1.3点(−2.5 〜 0)、脊椎マニピュレーション vs 医学的ケア −0.3点(−1.5 〜 1.0)。50%以上の改善が得られた人の割合は セルフマネジメント 64% vs 医学的ケア 55%だった。
背景・CQ
急性および亜急性の腰痛は、慢性化リスクが高い患者では「生活に影響する慢性腰痛(chronic impactful LBP)」へ進行することが多い。この進行を防ぐ最も有効な方法は分かっていなかった。候補として、脊椎マニピュレーション(徒手療法)と、医療者が支える生物心理社会的セルフマネジメントがある。
慢性化リスクの高い急性・亜急性腰痛の患者において、脊椎マニピュレーションや医療者支援型セルフマネジメントは、ガイドラインに基づく医学的ケアより慢性の生活影響型腰痛を予防するか?
研究デザイン(PICO)
急性または亜急性の腰痛があり、慢性化リスクが中〜高と判定された成人 1000例(平均年齢47歳〔SD 16〕、女性577例〔58%〕)
①脊椎マニピュレーション療法 ②医療者支援型セルフマネジメント ③①+②の併用(いずれも8週間、理学療法士およびカイロプラクターが実施)
④ガイドラインに基づく医学的ケア(8週間)
主要=10〜12か月時点の平均腰痛インパクトスコア(NIH タスクフォース慢性腰痛尺度、8点〔最良〕〜50点〔最悪〕)と、50%以上の改善が得られた人の割合によるレスポンダー解析。患者内で臨床的に意味のある最小差は30%の低下とされた。副次=慢性化と腰痛負担の指標(医療利用、薬剤使用、生産性)、患者報告アウトカム(改善度、満足度)、生物心理社会的指標(PROMIS等)、媒介因子候補(自己効力感、運動恐怖、痛みの破局的思考)
方法:ランダム化・2×2要因デザイン・多施設。米国ミネソタ大学とピッツバーグ大学の研究クリニックで、2018年11月から2023年5月まで登録し、追跡は2024年6月に終了した。4つの介入をいずれも8週間実施した。脊椎マニピュレーションと支援型セルフマネジメントは、理学療法士とカイロプラクターが提供した。主要評価項目は10〜12か月時点の平均腰痛インパクトスコア。媒介解析により、6か月時点の生物心理社会的因子の変化が1年時点の効果をどの程度説明するかを検討した。試験登録は ClinicalTrials.gov NCT03581123。
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本ページは医学情報の学習・抄読会支援を目的とした要約であり、個別の診療判断を代替するものではありません。掲載の数値は原著に基づきますが、投与の可否・用量などの最終判断は、必ず原著論文および最新の診療ガイドラインをご確認ください。図表は出版社からの転載ではなく、要点を独自に記述・再構成しています。