院外心停止に対するアドレナリンのプラセボ対照試験(PARAMEDIC2)
Perkins GD. 院外心停止に対するアドレナリンのプラセボ対照試験(PARAMEDIC2)(A Randomized Trial of Epinephrine in Out-of-Hospital Cardiac Arrest (PARAMEDIC2)). N Engl J Med 2018.(DOI: 10.1056/NEJMoa1806842 / PMID: 30021076)
英国の5つのNHS救急車サービスで、院外心停止8014例を、標準的な治療に加えてアドレナリン静注を行う群(4015例)と生理食塩水プラセボ群(3999例)に二重盲検で割り付けた。主要評価項目の30日生存率は3.2%(130例)対2.4%(94例)、補正なしオッズ比1.39(95%CI 1.06–1.82)、P=0.02でアドレナリン群が高かった。一方、副次評価項目である「modified Rankin scale 3以下の神経学的転帰良好での生存退院」は2.2%(4007例中87例)対1.9%(3994例中74例)、補正なしオッズ比1.18(95%CI 0.86–1.61)で差がなかった。さらに退院時に重度の神経学的障害(modified Rankin scale 4または5)を来していた生存者は、アドレナリン群126例中39例(31.0%)に対しプラセボ群90例中16例(17.8%)だった。「命は助かるが、助かり方が違う」ことを示した試験である。
背景・CQ
院外心停止の治療としてアドレナリンを用いることへの懸念から、International Liaison Committee on Resuscitation(ILCOR)は、アドレナリンが安全かつ有効かを判定するプラセボ対照試験の実施を求めていた。
院外心停止に対するアドレナリン投与は、生存と神経学的転帰を改善するか?
研究デザイン(PICO)
英国5つのNHS救急車サービスが対応した院外心停止の成人 8014例
標準的な治療に加えて、救急救命士が非経口的にアドレナリンを投与(4015例)
標準的な治療に加えて、生理食塩水プラセボを投与(3999例)
主要=30日生存率。副次=modified Rankin scale 3以下(神経学的転帰良好)での生存退院率など
方法:ランダム化比較試験・二重盲検・多施設・プラセボ対照。英国の5つの National Health Service 救急車サービスの救急救命士が薬剤を投与した。modified Rankin scale は0(症状なし)から6(死亡)までの尺度で、3以下を神経学的転帰良好とした。試験登録は Current Controlled Trials ISRCTN73485024。資金は英国 National Institute for Health Research ほか。
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本ページは医学情報の学習・抄読会支援を目的とした要約であり、個別の診療判断を代替するものではありません。掲載の数値は原著に基づきますが、投与の可否・用量などの最終判断は、必ず原著論文および最新の診療ガイドラインをご確認ください。図表は出版社からの転載ではなく、要点を独自に記述・再構成しています。