生後60日以下の発熱乳児で重症細菌感染症の低リスクを見分ける ― 尿検査・ANC・プロカルシトニンの3項目(PECARN)
Kuppermann N. 生後60日以下の発熱乳児で重症細菌感染症の低リスクを見分ける ― 尿検査・ANC・プロカルシトニンの3項目(PECARN)(A Clinical Prediction Rule to Identify Febrile Infants 60 Days and Younger at Low Risk for Serious Bacterial Infections). JAMA Pediatr 2019.(DOI: 10.1001/jamapediatrics.2018.5501 / PMID: 30776077)
若年発熱乳児では、尿路感染症・菌血症・細菌性髄膜炎といった重症細菌感染症(SBI)が危険な合併症につながりうる。一方で腰椎穿刺と入院にはリスクと費用が伴う。白血球数を超えるバイオマーカーを用いた予測ルールが、SBI低リスクの発熱乳児を正確に識別できる可能性がある。2011年3月から2013年5月に米国26施設の救急部門で、SBIの評価を受けた既往のない生後60日以下の発熱乳児を前向きに登録した。導出908例、検証913例(計1821例)。平均月齢36日、女児765例(42%)、白人・非ヒスパニック781例(43%)、黒人366例(20%)、ヒスパニック535例(29%)。SBIは1821例中170例(9.3%)(菌血症26例 1.4%、尿路感染症151例 8.3%、細菌性髄膜炎10例 0.5%、重複16例 0.9%)。導出された予測ルールは尿検査陰性、好中球絶対数(ANC)4090/µL以下、血清プロカルシトニン1.71ng/mL以下の3項目。検証コホートでの感度97.7%(95%CI 91.3〜99.6)、特異度60.0%(56.6〜63.3)、陰性的中率99.6%(98.4〜99.9)、陰性尤度比0.04(0.01〜0.15)。誤分類は菌血症1例と尿路感染症2例で、細菌性髄膜炎の見逃しはなかった。
背景・CQ
若年の発熱乳児では、尿路感染症・菌血症・髄膜炎を含む重症細菌感染症(SBI)が危険な合併症をもたらしうる。しかし腰椎穿刺と入院にはリスクと費用が伴う。白血球数を超えるバイオマーカーを用いた臨床予測ルールなら、SBI低リスクの発熱乳児を正確に識別できるかもしれない。
生後60日以下の発熱乳児において、重症細菌感染症が低リスクの児を識別する予測ルールを導出し検証できるか?
研究デザイン(PICO)
既往のない生後60日以下の発熱乳児1821例(米国26施設の救急部門、2011年3月〜2013年5月の便宜的標本)
予測ルールによる低リスク判定(尿検査陰性、好中球絶対数4090/µL以下、血清プロカルシトニン1.71ng/mL以下の3項目をすべて満たす)
重症細菌感染症(尿路感染症、菌血症、細菌性髄膜炎)の有無(参照基準)
予測ルールの感度、特異度、陰性的中率、陰性尤度比
方法:前向き・観察研究・多施設。2011年3月から2013年5月に米国26施設の救急部門で、SBIの評価を受けた既往のない生後60日以下の発熱乳児の便宜的標本を登録した。臨床・検査データ(患者背景、発熱の高さと持続時間、外観、白血球数、好中球絶対数、血清プロカルシトニン、尿検査)を収集し、二分再帰分割分析により予測ルールを導出・検証した。データ解析は2014年4月から2018年4月に行った。
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本ページは医学情報の学習・抄読会支援を目的とした要約であり、個別の診療判断を代替するものではありません。掲載の数値は原著に基づきますが、投与の可否・用量などの最終判断は、必ず原著論文および最新の診療ガイドラインをご確認ください。図表は出版社からの転載ではなく、要点を独自に記述・再構成しています。