中高リスク肺塞栓症へのカテーテル血栓溶解+抗凝固 vs 抗凝固単独(PRAGUE-26)
Kroupa J. 中高リスク肺塞栓症へのカテーテル血栓溶解+抗凝固 vs 抗凝固単独(PRAGUE-26)(Catheter-Directed Thrombolysis in Intermediate-High-Risk Pulmonary Embolism (PRAGUE-26)). N Engl J Med 2026.(DOI: 10.1056/NEJMoa2608012 / PMID: 42678032 / NCT05493163)
血行動態は安定しているが、右室機能障害とトロポニンまたはナトリウム利尿ペプチドの上昇を伴う「中高リスク」の急性肺塞栓症558例を、カテーテル血栓溶解(アルテプラーゼ)+抗凝固と抗凝固単独に割り付けた多施設試験。主要評価項目(7日以内の全死亡・肺塞栓再発・心肺の代償不全または虚脱)は、血栓溶解群2例(0.7%)vs 標準治療群19例(6.8%)、相対リスク0.10(95%CI 0.02〜0.44、P<0.001)。差は主に心肺の代償不全・虚脱の減少によるものだった。7日までの臨床的に問題となる出血は4.6% vs 5.0%(P=0.85)、大出血は1.4% vs 2.2%(P=0.54)、頭蓋内出血は血栓溶解群で2例(0.7%)、標準治療群でゼロだった。
背景・CQ
中高リスクの肺塞栓症は、来院時は血圧が保たれていても、その後に循環が破綻する患者が一定数いる。全身投与の血栓溶解は出血の懸念が大きく、ルーチンには勧められていない。カテーテルで肺動脈に直接血栓溶解薬を入れる方法は、少ない薬剤量で出血を抑えつつ効果を得られる可能性があるとされてきたが、臨床アウトカムを改善するかは確かめられていなかった。
中高リスクの急性肺塞栓症で、抗凝固にカテーテル血栓溶解を加えると、早期の死亡・再発・循環破綻を減らせるか?
研究デザイン(PICO)
中高リスクの急性肺塞栓症558例(血行動態が安定、簡易版PESI 1点以上、右室機能障害+心筋トロポニンまたはナトリウム利尿ペプチドの上昇)。年齢中央値64歳、女性40.9%
アルテプラーゼによるカテーテル血栓溶解+抗凝固療法(280例)
抗凝固療法単独(278例)
主要=ランダム化後7日以内の全死亡・肺塞栓再発・心肺の代償不全または虚脱の複合。副次=BARC基準の臨床的に問題となる出血、GUSTO基準の大出血、頭蓋内出血
方法:RCT・多施設・非盲検。中高リスクの急性肺塞栓症患者を1:1でカテーテル血栓溶解+抗凝固群と抗凝固単独群に割り付けた。中高リスクは、血行動態の安定、簡易版PESIスコア1点以上、右室機能障害に加えて心筋トロポニンまたはナトリウム利尿ペプチドの上昇がそろうことで定義した。主要評価項目は7日以内の複合エンドポイント。カテーテルの種類とアルテプラーゼの投与量は抄録から取得できていない(要・原著確認)。資金はチェコ共和国保健省ほか。試験登録はNCT05493163。
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本ページは医学情報の学習・抄読会支援を目的とした要約であり、個別の診療判断を代替するものではありません。掲載の数値は原著に基づきますが、投与の可否・用量などの最終判断は、必ず原著論文および最新の診療ガイドラインをご確認ください。図表は出版社からの転載ではなく、要点を独自に記述・再構成しています。