代償性肝硬変+臨床的に有意な門脈圧亢進にβ遮断薬を先回りで使う(PREDESCI)
Villanueva C. 代償性肝硬変+臨床的に有意な門脈圧亢進にβ遮断薬を先回りで使う(PREDESCI)(Beta Blockers to Prevent Decompensation of Cirrhosis in Patients with Clinically Significant Portal Hypertension (PREDESCI)). Lancet 2019.(DOI: 10.1016/S0140-6736(18)31875-0 / PMID: 30910320 / NCT01059396)
肝硬変では、腹水・静脈瘤出血・肝性脳症といった「非代償化」が起きた瞬間に予後が変わる。β遮断薬はこれまで「静脈瘤出血の予防薬」として使われてきたが、PREDESCI は問いを一段前に置いた——非代償化そのものを予防できるか。スペイン8施設で、代償性肝硬変かつ臨床的に有意な門脈圧亢進(HVPG≥10mmHg)があり高リスク静脈瘤のない201例を無作為化。プロプラノロール静注に対する急性HVPG反応で層別し、反応者にはプロプラノロール、非反応者にはカルベジロールを割り付けた。主要評価項目(非代償化または死亡)は16%(16/100)vs 27%(27/101)、HR 0.51(95%CI 0.26–0.97、p=0.041)。差の主体は腹水の減少(HR 0.44、95%CI 0.20–0.97、p=0.0297)だった。
背景・CQ
肝硬変の臨床的非代償化は予後不良と関連する。臨床的に有意な門脈圧亢進(clinically significant portal hypertension:CSPH、肝静脈圧較差 HVPG ≥10mmHg で定義)は、非代償化のもっとも強い予測因子である。β遮断薬はHVPGを下げることが知られているが、それによって非代償化や死亡そのものを減らせるかは示されていなかった。
代償性肝硬変で臨床的に有意な門脈圧亢進がある患者に、β遮断薬でHVPGを下げると、非代償化または死亡のリスクは減るか?
研究デザイン(PICO)
代償性肝硬変で、HVPG ≥10mmHg の臨床的に有意な門脈圧亢進があり、高リスク静脈瘤を持たない患者 201例
β遮断薬(100例)。プロプラノロール静注に対する急性HVPG反応が10%以上低下した反応者にはプロプラノロール最大160mg 1日2回(67例)、非反応者にはカルベジロール25mg/日以下(33例)
プラセボ(101例)
主要=肝硬変の非代償化(腹水・出血・顕性肝性脳症の発症と定義)または死亡の発生率
方法:RCT・多施設・二重盲検・プラセボ対照。研究者主導試験としてスペインの8病院で実施された。全参加者にHVPG測定とプロプラノロール静注に対する急性HVPG反応の評価を行い、反応者と非反応者で使用薬剤を分けたうえで、それぞれ実薬とプラセボに割り付けた。用量は非盲検の漸増期に個別に決定し、その後に中央のウェブシステムで1:1に無作為化した。登録は2010年1月18日から2013年7月31日。代償性肝硬変では肝以外の原因による死亡が通常であることから、肝と無関係な死亡を競合リスクとして扱う intention-to-treat 解析が行われた。資金はスペインの保健省および経済省。
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本ページは医学情報の学習・抄読会支援を目的とした要約であり、個別の診療判断を代替するものではありません。掲載の数値は原著に基づきますが、投与の可否・用量などの最終判断は、必ず原著論文および最新の診療ガイドラインをご確認ください。図表は出版社からの転載ではなく、要点を独自に記述・再構成しています。