救急外来の胸痛で高感度トロポニン0/1時間法を導入すると安全で早くなるか(PRESC1SE-MI)
Boeddinghaus J. 救急外来の胸痛で高感度トロポニン0/1時間法を導入すると安全で早くなるか(PRESC1SE-MI)(Safety and Efficacy of the 0/1 h Pathway for Myocardial Infarction in the Emergency Department (PRESC1SE-MI)). Lancet 2026.(DOI: 10.1016/S0140-6736(26)01654-5 / PMID: 42667934 / NCT05649384)
胸部の不快感で心筋梗塞を疑われて救急外来を受診した成人を対象に、高感度心筋トロポニンを0時間と3時間で測る0/3時間法を使っていた19病院(10か国)を、ガイドラインが勧める0/1時間法へ切り替える時期(6か月後または12か月後)でランダムに分けた、ステップウェッジ型クラスターランダム化試験。解析対象は受診67,624例。共同主要安全性評価項目の30日以内の全死亡または新たな1型心筋梗塞は、0/3時間法1.2%(454例)、0/1時間法1.1%(341例)で、調整オッズ比0.93(95%CI 0.77〜1.13)、非劣性のP=0.0004。共同主要有効性評価項目の救急外来滞在時間は、中央値がともに309分で、比は1.00(95%CI 0.97〜1.02)、P=0.65と短縮しなかった。
背景・CQ
心筋梗塞が疑われる胸痛の患者では、高感度心筋トロポニンを時間をあけて繰り返し測って診断する。ガイドラインは、0時間と1時間で判定する0/1時間法を勧めているが、実際には0時間と3時間で測る0/3時間法を使い続けている病院も多い。0/1時間法は判定が早いぶん救急外来の混雑を減らせると期待されてきたが、実際の病院に導入したときに安全で、滞在時間が短くなるのかは、大規模なランダム化で確かめられていなかった。
0/3時間法を使っている病院が0/1時間法に切り替えると、安全性を保ったまま救急外来の滞在時間は短くなるか?
研究デザイン(PICO)
胸部の不快感(外傷以外)で心筋梗塞を疑われ救急外来を受診した成人、受診 67,624例(19病院・10か国)。年齢中央値59歳、女性44.3%
0/1時間法(高感度トロポニンを0時間と1時間で採血)、31,160例
0/3時間法(0時間と3時間で採血)、36,464例
共同主要=安全性:30日以内の全死亡または新たな1型心筋梗塞(非劣性マージン オッズ比1.3)/有効性:救急外来滞在時間
方法:ステップウェッジ型クラスターRCT・国際多施設・プラグマティック・エンドポイント判定盲検。10か国の19病院で、0/3時間法を標準としていた病院を、6か月後に0/1時間法を導入する群(早期導入)と12か月後に導入する群(後期導入)にランダムに割り付けた。2020年12月1日から2024年12月31日までに受診した連続症例を対象とした。安全性の非劣性と、有効性の優越性を検証する設計で、非劣性マージンはオッズ比1.3とした。解析はfull analysis setで行った。試験登録はNCT05649384(登録は終了し、試験は継続中)。
この続きは、無料登録で読めます。
登録に必要なのは、メールアドレスとパスワードだけです。カードの登録は要りません。
登録すると、この論文の続きを含めて、毎週3本まで、どの論文でも本文が読めます(毎週月曜にリセット)。
- 主な結果
- 臨床への落とし込み
- 結論
- 解釈と限界
すべて読みたい方は、登録後にプレミアムを14日間¥0で試せます(カード登録が必要)。
本ページは医学情報の学習・抄読会支援を目的とした要約であり、個別の診療判断を代替するものではありません。掲載の数値は原著に基づきますが、投与の可否・用量などの最終判断は、必ず原著論文および最新の診療ガイドラインをご確認ください。図表は出版社からの転載ではなく、要点を独自に記述・再構成しています。