進行期ADPKDにもトルバプタンは効くか(REPRISE)
Torres VE. 進行期ADPKDにもトルバプタンは効くか(REPRISE)(Tolvaptan in Later-Stage Autosomal Dominant Polycystic Kidney Disease (REPRISE)). N Engl J Med 2017.(DOI: 10.1056/NEJMoa1710030 / PMID: 29105594 / NCT02160145)
先行試験でトルバプタンはクレアチニンクリアランス60以上の早期ADPKDに有効だったが、肝障害という代償があり、進行期での有効性・安全性は不明だった。REPRISE はそこを埋めた試験である。8週間の前観察期(プラセボとトルバプタンの連続run-in)で「副作用なく飲めるか」を確認したうえで、eGFR 25〜65(56〜65歳では25〜44)の1370例を1:1で12か月間割り付けた。主要評価項目のeGFR変化は、トルバプタン群 −2.34(95%CI −2.81〜−1.87)、プラセボ群 −3.61(95%CI −4.08〜−3.14)、差1.27 mL/min/1.73m²(95%CI 0.86–1.68)、P<0.001。ALTが基準値上限の3倍を超えたのは5.6%(38/681)vs 1.2%(8/685)で、中止により可逆的だった。ビリルビンが上限の2倍を超えた例はなかった。
背景・CQ
先行試験では、早期の常染色体優性多発性嚢胞腎(推定クレアチニンクリアランス60mL/分以上)に対し、バソプレシンV2受容体拮抗薬トルバプタンが総腎容積の増加と推定糸球体濾過量(eGFR)の低下をいずれも緩やかにすることが示された。しかし同時にアミノトランスフェラーゼとビリルビンの上昇も多く生じており、より進行した病期での有効性と安全性は分かっていなかった。
eGFRがすでに低下した進行期のADPKDでも、トルバプタンはeGFRの低下を緩やかにするか。またその安全性は許容できるか?
研究デザイン(PICO)
ADPKD患者 1370例。18〜55歳でeGFR 25〜65 mL/min/1.73m²、または56〜65歳でeGFR 25〜44 mL/min/1.73m²
トルバプタン 12か月間(トルバプタン群681例が安全性評価対象)
プラセボ 12か月間(プラセボ群685例が安全性評価対象)
主要=ベースラインから追跡時までのeGFR変化。各患者の実際の参加期間で補正し、1年に内挿して評価。安全性評価は毎月実施
方法:RCT・第3相・多施設・二重盲検・プラセボ対照・ランダム化中止デザイン。8週間の無作為化前期間を設け、プラセボとトルバプタンを順に投与する run-in 相で、各患者が用量制限的な副作用なくトルバプタンを内服できるかを評価した。そのうえで1370例を1:1でトルバプタンまたはプラセボに割り付け、12か月間投与した。主要評価項目はベースラインから追跡時までのeGFRの変化で、各患者の参加期間の正確な長さで補正し1年に内挿した。安全性評価は毎月行われた。資金は Otsuka Pharmaceuticals および Otsuka Pharmaceutical Development and Commercialization。
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本ページは医学情報の学習・抄読会支援を目的とした要約であり、個別の診療判断を代替するものではありません。掲載の数値は原著に基づきますが、投与の可否・用量などの最終判断は、必ず原著論文および最新の診療ガイドラインをご確認ください。図表は出版社からの転載ではなく、要点を独自に記述・再構成しています。