小児の外来市中肺炎に抗菌薬は5日で足りるか ― 10日間との比較(SCOUT-CAP)
Williams DJ. 小児の外来市中肺炎に抗菌薬は5日で足りるか ― 10日間との比較(SCOUT-CAP)(Short- vs Standard-Course Outpatient Antibiotic Therapy for Community-Acquired Pneumonia in Children (SCOUT-CAP)). JAMA Pediatr 2022.(DOI: 10.1001/jamapediatrics.2021.5547 / PMID: 35040920 / NCT02891915)
生後6〜71か月の健康な小児で、非重症の市中肺炎(CAP)に対し既に抗菌薬を開始して早期に臨床的改善を示した380例を対象に、治療6日目にプラセボ5日間(=合計5日治療)と同じ抗菌薬をあと5日間(=合計10日治療)に1:1で割り付けた二重盲検RCT。主要評価項目は RADAR(response adjusted for duration of antibiotic risk)という、臨床反応・症状消失・抗菌薬関連有害事象を順位付けし、同順位内では抗菌薬投与日数が短いほど望ましいとする複合指標である。DOOR(desirability of outcome ranking)そのものおよびその個々の構成要素に群間差はなく、臨床反応が不十分だったのはどちらも10%未満。RADAR では短期治療が10日治療より望ましい結果となる確率が 69%(95%CI 63〜75)。咽頭ぬぐい液を採取した171例では、原核細胞あたりの耐性遺伝子数(RGPC)の中央値が総RGPC 1.17 vs 1.33(p=0.01)、βラクタマーゼRGPC 0.55 vs 0.60(p=0.03)と短期治療で有意に少なかった。
背景・CQ
小児の市中肺炎は通常10日間の抗菌薬で治療されてきた。より短い治療でも有効なら、有害事象を減らし、耐性化の余地も小さくできる可能性がある。しかし「短くても大丈夫か」を、有効性と副作用・耐性化を同じ土俵に載せて比べた試験は乏しかった。
外来で治療中の非重症の小児市中肺炎で、既に改善傾向にあるなら抗菌薬は5日間で十分か?
研究デザイン(PICO)
生後6〜71か月の健康な小児で、非重症の市中肺炎があり早期に臨床的改善を示した380例(米国8都市の外来・緊急クリニック・救急)
当初の処方の6日目から、一致する外観のプラセボを5日間(合計5日間の抗菌薬治療、189例)
当初の処方の6日目から、同じ抗菌薬をさらに5日間(合計10日間の抗菌薬治療、191例)
主要=RADAR(臨床反応・症状消失・抗菌薬関連有害事象を順位付けし、同順位内では投与日数が短いほど望ましいとする複合指標)。副次=咽頭ぬぐい液中の抗菌薬耐性遺伝子量
方法:RCT・二重盲検・プラセボ対照・多施設。米国8都市の外来クリニック、緊急診療、救急部門で実施。2016年12月2日から2019年12月16日に380例を登録し、解析は2020年1月から9月に行った。咽頭ぬぐい液は研究19日目から25日目のあいだに採取し、口腔咽頭細菌叢の抗菌薬耐性遺伝子を定量した。試験登録は NCT02891915。
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本ページは医学情報の学習・抄読会支援を目的とした要約であり、個別の診療判断を代替するものではありません。掲載の数値は原著に基づきますが、投与の可否・用量などの最終判断は、必ず原著論文および最新の診療ガイドラインをご確認ください。図表は出版社からの転載ではなく、要点を独自に記述・再構成しています。