MSSA菌血症にセファゾリンか抗ブドウ球菌ペニシリンか(SNAP・抗菌薬ドメイン)
. MSSA菌血症にセファゾリンか抗ブドウ球菌ペニシリンか(SNAP・抗菌薬ドメイン)(Cefazolin for Methicillin-Susceptible Staphylococcus aureus Bacteremia (SNAP)). N Engl J Med 2026.(DOI: 10.1056/NEJMoa2506905 / PMID: 42308484 / NCT05137119)
黄色ブドウ球菌菌血症は死亡率が高い。メチシリン感性(MSSA)に対してセファゾリンと抗ブドウ球菌ペニシリン(フルクロキサシリンまたはクロキサシリン)のどちらを選ぶべきかは定まっていなかった。国際的なベイズ適応プラットフォーム試験 SNAP の1ドメインとして、ペニシリン耐性MSSA菌血症の成人を非盲検で無作為化。主要評価項目の90日全死亡は 15.0%(97/645例)vs 17.0%(109/642例)、補正オッズ比 0.81(95%信用区間 0.59〜1.12)。非劣性(補正オッズ比<1.2)の事後確率は 99.2%、優越性(<1.0)の事後確率は 89.8%。14日以内の急性腎障害は 13.9%(92/660例)vs 19.6%(127/648例)、補正オッズ比 0.67(95%信用区間 0.50〜0.89)、優越性の事後確率 99.7% でセファゾリンのほうが少なかった。
背景・CQ
黄色ブドウ球菌菌血症は死亡率が高い感染症である。メチシリン感性の場合、βラクタム薬としてセファゾリンと抗ブドウ球菌ペニシリン(フルクロキサシリン、クロキサシリン)のどちらを第一選択にすべきかは、長く議論されてきた。観察研究では意見が分かれ、無作為化された比較がなかった。
ペニシリン耐性のMSSA菌血症では、セファゾリンは抗ブドウ球菌ペニシリンに劣らないか?
研究デザイン(PICO)
ペニシリン耐性・メチシリン感性の黄色ブドウ球菌菌血症の成人。評価可能例はセファゾリン群645例、抗ブドウ球菌ペニシリン群642例(死亡解析)、安全性解析は660例と648例。合計1287例
セファゾリン
抗ブドウ球菌ペニシリン(フルクロキサシリンまたはクロキサシリン)
主要=プラットフォーム登録後90日以内の全死亡。副次(安全性)=14日以内の急性腎障害
方法:RCT・国際・非盲検・ベイズ適応プラットフォーム試験の1ドメイン。進行中の SNAP 試験の一部として、2022年2月17日から2024年8月7日まで実施され、この時点で非劣性の基準を満たした。主要評価項目は階層ベイズロジスティック回帰モデルで評価した。非劣性の基準は補正オッズ比<1.2(対照群の死亡率が15%のとき、絶対差 約2.5パーセントポイント未満に相当)と事前に規定。優越性の基準は補正オッズ比<1.0。資金は National Health and Medical Research Council ほか。
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本ページは医学情報の学習・抄読会支援を目的とした要約であり、個別の診療判断を代替するものではありません。掲載の数値は原著に基づきますが、投与の可否・用量などの最終判断は、必ず原著論文および最新の診療ガイドラインをご確認ください。図表は出版社からの転載ではなく、要点を独自に記述・再構成しています。