Paper Cruxy
原著を開く
会員限定心的外傷・PTSDRCT・多施設・実用的Lancet Psychiatry 2026読了 約7分

精神病性障害に併存するPTSDへのトラウマ焦点化CBTp(STAR)

Peters E. 精神病性障害に併存するPTSDへのトラウマ焦点化CBTp(STAR)(Trauma-Focused Therapy Integrated with CBT for Psychosis in PTSD and Psychosis (STAR)). Lancet Psychiatry 2026.(DOI: 10.1016/S2215-0366(26)00090-8 / PMID: 42309103)

精神病性障害の患者はPTSDの併存率が高く、それが予後を悪くすることが知られているが、「精神病があるから曝露療法はできない」という前提で心理療法から除外されてきた。英国5施設で、二次医療を受けているPTSD併存の精神病性障害の成人305例を、トラウマ焦点化CBTp+通常治療(154例)と通常治療のみ(151例)に1:1で割り付けた。全員が反復・複数のトラウマを報告している。9か月時点の主要評価項目CAPS-5は調整平均差 −8.67点(95%CI −13.41〜−3.94)、P=0.0003、Cohen's d −0.73。PTSD寛解は125例中62例(50%)vs 116例中25例(22%)、NNT 4。妄想・被害念慮・幻声以外の幻覚、希死念慮、抑うつ、不安、ストレス、心理的リカバリーも改善したが、幻声・関係念慮・物質使用・社会機能には効果がなかった。予期しない重篤有害事象はなく、両群78件ずつだった。

Background

背景・CQ

精神病性障害の患者ではPTSDの併存率が高く、予後不良と関連する。しかし「トラウマに直面させると精神病症状が悪化する」という懸念から、この集団はトラウマ焦点化療法の対象から外されてきた。実際には安全性と有効性を検証した大規模試験がほとんどなかった。

クリニカルクエスチョン

PTSDと精神病性障害を併存する患者に、トラウマ焦点化療法と精神病に対する認知行動療法(CBTp)を統合した治療は有効か?

Design (PICO)

研究デザイン(PICO)

P
Population ・ 患者

二次医療を受けている、PTSDと精神病性障害を併存する成人 305例。平均年齢38.9歳(SD 12.4)、男性127例(42%)、女性171例(56%)、ノンバイナリーまたは回答なし7例(2%)、白人232例(76%)。全員が反復・複数のトラウマを報告

I
Intervention ・ 介入

トラウマ焦点化CBTp+通常治療(154例)。トラウマ焦点化の要素とCBTpを統合した、柔軟で個別化された定式化ベースの治療を9か月間

vs
C
Comparison ・ 対照

通常治療のみ(151例)

O
Outcome ・ 評価項目

主要=9か月時点のPTSD症状重症度(CAPS-5、DSM-5版臨床家評価PTSD尺度)。副次=PTSD寛解割合と臨床的に意味のある変化、症状クラスター、外傷後認知、解離、精神病症状、気分障害、心理的リカバリー、社会機能

方法:RCT・多施設・実用的(pragmatic)・評価者盲検・並行群間。英国5施設。2020年10月1日から2023年3月20日に305例を1:1に無作為割付し、施設で層別化、ブロックサイズは無作為に変動させた。主要解析は9か月時点のintention-to-treat集団で線形混合モデルを用い、4か月時点のデータも含めて解析した。当事者経験をもつ専門家が研究全体に参画している。試験登録 ISRCTN93382525。

この続きは、無料登録で読めます。

登録に必要なのは、メールアドレスとパスワードだけです。カードの登録は要りません。
登録すると、この論文の続きを含めて、毎週3本まで、どの論文でも本文が読めます(毎週月曜にリセット)。

登録すると読める、この先の章
  1. 主な結果
  2. 臨床への落とし込み
  3. 結論
  4. 解釈と限界

すべて読みたい方は、登録後にプレミアムを14日間¥0で試せます(カード登録が必要)。

最後まで読める3本も。

どの論文も、冒頭の2章はこのまま読めます。登録なしで最後まで読める解説も3本あります。

無料で読める3本を見る

本ページは医学情報の学習・抄読会支援を目的とした要約であり、個別の診療判断を代替するものではありません。掲載の数値は原著に基づきますが、投与の可否・用量などの最終判断は、必ず原著論文および最新の診療ガイドラインをご確認ください。図表は出版社からの転載ではなく、要点を独自に記述・再構成しています。