分枝粥腫病(BAD)による脳梗塞にチロフィバンを足すと増悪を防げるか(STRATEGY)
Wang Y. 分枝粥腫病(BAD)による脳梗塞にチロフィバンを足すと増悪を防げるか(STRATEGY)(Tirofiban for Branch Atheromatous Disease-Related Stroke (STRATEGY)). JAMA Neurol 2026.(DOI: 10.1001/jamaneurol.2026.2855 / PMID: 42671865 / NCT05310968)
発症48時間以内にMRIで確認された分枝粥腫病(BAD)による脳梗塞970例を、静注チロフィバン(24時間)とプラセボに割り付けた中国38施設の二重盲検試験。全例にアスピリン300mgを負荷し、その後100mg/日を90日まで続けた。主要有効性評価項目の「7日以内の早期神経症状増悪(END)または90日以内の新たな脳卒中」は、チロフィバン群17.1%(79例)、プラセボ群19.6%(89例)で、HR 0.88(95%CI 0.65〜1.19)、P=0.39と差がなかった。主要安全性評価項目の中等度または重度の出血は、チロフィバン群0.2%(486例中1例)、プラセボ群0例(P>0.99)だった。BADで起こりやすい早期増悪を、アスピリンに強力な抗血小板薬を上乗せして防ぐ、という戦略は支持されなかった。
背景・CQ
分枝粥腫病(BAD)は、穿通枝の入口部の動脈硬化で起こる脳梗塞で、入院後数日のうちに麻痺が進む早期神経症状増悪(END)を起こしやすく、後遺症につながりやすい。アジアで比較的多い病型だが、増悪や再発を防ぐ治療を検証した大規模試験は無かった。糖蛋白IIb/IIIa受容体拮抗薬のチロフィバンは強力な静注抗血小板薬で、急性期脳梗塞でいくつかのRCTが行われている。
BADによる急性期脳梗塞で、アスピリンに静注チロフィバンを足すと、早期増悪と再発を減らせるか?
研究デザイン(PICO)
発症48時間以内にMRIでBADによる急性期脳梗塞と確認された患者970例(中国38施設)。年齢中央値63歳、男性62.6%
静注チロフィバン(0.4µg/kg/分を30分、その後0.1µg/kg/分を24時間)+アスピリン(486例)
プラセボ+アスピリン(484例)
主要有効性=7日以内のENDまたは90日以内の新たな脳卒中。主要安全性=中等度または重度の出血
方法:RCT・多施設・二重盲検・プラセボ対照。中国の38病院で2022年11月15日から2024年11月19日まで登録し、全例を90日間追跡した。発症48時間以内にMRIでBADによる急性期脳梗塞と確認された患者を、静注チロフィバン群とプラセボ群に割り付けた。研究者・患者・評価者はいずれも割付を知らされなかった。全例に割付当日にアスピリン300mgを負荷し、以後100mg/日を90日目まで投与した。1,378例をスクリーニングし、画像所見が基準に合わない例、その他の除外基準、同意なしなどで408例を除外し、970例をランダム化した。試験登録はNCT05310968。
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本ページは医学情報の学習・抄読会支援を目的とした要約であり、個別の診療判断を代替するものではありません。掲載の数値は原著に基づきますが、投与の可否・用量などの最終判断は、必ず原著論文および最新の診療ガイドラインをご確認ください。図表は出版社からの転載ではなく、要点を独自に記述・再構成しています。