結核治療への患者中心デジタル服薬支援ツール(TB-TST)
Rubinstein F. 結核治療への患者中心デジタル服薬支援ツール(TB-TST)(Patient Centred Digital Adherence Technology for Tuberculosis Treatment Outcomes (TB-TST)). BMJ 2026.(DOI: 10.1136/bmj-2026-100195 / PMID: 42562413 / NCT04221789)
アルゼンチン・ブエノスアイレスの公立4病院で、新規診断の薬剤感受性結核555例を、標準治療のみ(278例)と標準治療+デジタル服薬支援ツール(277例)に無作為化した。ツールは、毎日の服薬報告、治療支援者との双方向メッセージ、教育コンテンツ、週1回の尿によるイソニアジド検査を組み合わせたスマートフォンアプリ。ITT解析で治療成功(治癒または治療完了)は208/255例(82%)vs 201/270例(74%)、リスク差7.1%(95%CI 1.1–14.1)、リスク比1.10(1.00–1.20)、P=0.04。脱落は17% vs 24%(リスク比0.70、0.50–0.98、P=0.04)。リスク比の下限がちょうど1.00である一方、リスク差の下限は1.1%と明確に0を超えており、「相対で見るか絶対で見るか」で結論の強さの印象が変わる教材になる。
背景・CQ
結核治療は長期にわたり、服薬の継続そのものが治療成功を左右する。直接監視下治療(DOT)に代わる、あるいはこれを補うデジタル服薬支援技術の効果を、実際の診療条件下で検証した試験は限られていた。
薬剤感受性結核の患者に、患者中心のデジタル服薬支援ツールを標準治療へ上乗せすると、治療成功は増えるか?
研究デザイン(PICO)
16歳以上、新規に診断された薬剤感受性結核の患者555例
標準治療+TB-TST(毎日の服薬報告、治療支援者との双方向メッセージ、教育コンテンツ、週1回の尿イソニアジド検査によるアドヒアランス確認を行うモバイルアプリ)277例
標準治療のみ 278例
主要=治療成功(治癒または治療完了)。副次=脱落(loss to follow-up)
方法:RCT・プラグマティック・2群並行・多施設。アルゼンチン・ブエノスアイレスの公的基幹病院4施設で、2020年11月〜2023年7月に登録。参加者と介護者は割り付けを認識していたが、データ収集者とデータ解析者は盲検化された。解析は intention-to-treat と per protocol の両方で行われ、プロトコル逸脱30例を除外した525例(登録集団の94.6%)が解析対象となった。試験登録は ClinicalTrials.gov NCT04221789。
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本ページは医学情報の学習・抄読会支援を目的とした要約であり、個別の診療判断を代替するものではありません。掲載の数値は原著に基づきますが、投与の可否・用量などの最終判断は、必ず原著論文および最新の診療ガイドラインをご確認ください。図表は出版社からの転載ではなく、要点を独自に記述・再構成しています。