線維化・肝硬変を伴うMASHに対するザルフェルミン+セマグルチド(第2相用量設定試験)
Loomba R. 線維化・肝硬変を伴うMASHに対するザルフェルミン+セマグルチド(第2相用量設定試験)(Zalfermin co-administered with Semaglutide in MASH with Fibrosis and Cirrhosis: Phase 2 Dose-ranging Trial). Lancet Gastroenterol Hepatol 2026.(DOI: 10.1016/S2468-1253(26)00123-8 / PMID: 42456707 / NCT05016882)
肝生検で MASH(代謝機能障害関連脂肪肝炎)と診断され、非代償性のない F2〜F4c(代償性肝硬変を含む)の線維化がある18歳以上 698例を、22か国187施設で、ザルフェルミン 7.5mg/15mg/30mg+セマグルチド 2.4mg、ザルフェルミン 30mg 単独、セマグルチド 2.4mg 単独、カグリリンチド 2.4mg+セマグルチド 2.4mg、プラセボの7群(各約100例)に割り付け、週1回皮下投与を52週間続けた。主要評価項目は52週時の「NASH CRN 線維化ステージ1段階以上の改善かつ MASH の悪化なし」。ザルフェルミン 30mg+セマグルチドは 24/99例(24%)vs プラセボ 16/100例(16%)で、応答割合の推定差(EDP)7.98(95%CI −3.82〜19.79)、p=0.19 と有意差なし。セマグルチド 2.4mg 単独は 30/100例(30%)で EDP 14.05(95%CI 1.88〜26.23)、p=0.024 と名目上有意、ザルフェルミン 30mg 単独は 22/101例(22%)で EDP 4.99(−6.51〜16.49)、p=0.39。消化器系有害事象は併用群 80%、プラセボ 51%。「足した薬ではなく、土台のセマグルチドだけが効いていた」という結果の第2相。
背景・CQ
MASH で臨床的に意味のある線維化(F2〜F4c)がある患者は肝関連イベントのリスクが高く、代償性肝硬変(F4c)を含む集団への治療は特に確立していない。ザルフェルミンは週1回投与の FGF21アナログで、GLP-1受容体作動薬セマグルチドと組み合わせることで、線維化改善の上乗せが期待された。
線維化・代償性肝硬変を伴う MASH に、ザルフェルミンをセマグルチドと併用すると、52週の線維化改善(MASH悪化なし)はプラセボより増えるか?
研究デザイン(PICO)
18歳以上、肝生検(ベースラインまたは180日以内の既往)で脂肪肝炎を確認し、非代償化のない F2〜F4c の線維化を持つ患者。698例(無作為化)
ザルフェルミン 30mg+セマグルチド 2.4mg 週1回皮下投与(99例)。他に ザルフェルミン 7.5mg+セマグルチド(99例)、15mg+セマグルチド(100例)、ザルフェルミン 30mg 単独(101例)、セマグルチド 2.4mg 単独(100例)、カグリリンチド 2.4mg+セマグルチド 2.4mg(99例、探索的)
プラセボ 週1回皮下投与(100例)
主要=52週時に NASH CRN 線維化スケールで1段階以上の改善があり、かつ MASH の悪化がない患者の割合。安全性
方法:RCT・第2相・多施設・二重盲検・プラセボ対照・用量設定・概念実証。オーストラリア、ベルギー、日本、米国など22か国187施設。2021年8月31日〜2025年3月14日に2420例をスクリーニングし、178例が割り付け前に撤回、1544例が不適格となり、698例を7群に割り付けた。投与は週1回皮下で52週間。有効性は全割り付け例(full analysis set)、安全性は1回以上投与された患者で解析した。資金提供は Novo Nordisk。試験登録は ClinicalTrials.gov NCT05016882(完了)。
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本ページは医学情報の学習・抄読会支援を目的とした要約であり、個別の診療判断を代替するものではありません。掲載の数値は原著に基づきますが、投与の可否・用量などの最終判断は、必ず原著論文および最新の診療ガイドラインをご確認ください。図表は出版社からの転載ではなく、要点を独自に記述・再構成しています。