ARDSへの肺リクルートメント+PEEP滴定 vs 低PEEP(ART)
Cavalcanti AB. ARDSへの肺リクルートメント+PEEP滴定 vs 低PEEP(ART)(Effect of Lung Recruitment and Titrated PEEP vs Low PEEP on Mortality in ARDS (ART)). JAMA.(DOI: 10.1001/jama.2017.14171 / PMID: 28973363 / NCT01374022)
「肺を最大限に開いて(リクルート)最適PEEPに保てば予後が良くなる」というオープンラング仮説を、中等症〜重症ARDSで検証したのがART。結果は逆で、積極的リクルート+PEEP滴定群は低PEEP群より28日死亡が高く(55.3% vs 49.3%、HR 1.20)、気胸も増えた。オープンラング戦略に"待った"をかけた重要な試験。
背景・CQ
ARDSでは虚脱した肺胞の反復開閉(atelectrauma)が肺傷害を助長する。最大リクルート手技で肺を開き、呼吸器系コンプライアンスが最良となるPEEPに滴定して保てば(オープンラング)、VILIを減らし予後を改善しうる——この仮説を、標準のARDSネット(低PEEP)戦略と比較して検証した。
中等症〜重症ARDSで、積極的な肺リクルートメント+PEEP滴定は低PEEP戦略より死亡を減らすのか、むしろ増やすのか?
研究デザイン(PICO)
中等症〜重症ARDS(P/F≤200)の成人 1,010例(9か国120ICU)
最大段階的リクルート手技(PEEP最大45・プラトー圧60cmH2Oまで)+呼吸器系コンプライアンス最良のPEEPへ滴定(ART戦略)
ARDSネット(低PEEP)戦略
主要=28日死亡(生存)。副次=6か月死亡、人工呼吸器非装着日数、気胸、循環管理など
方法:ブラジル・アルゼンチン・コロンビア・イタリア・ポーランド・ポルトガル・マレーシア・スペイン・ウルグアイの多施設・プラグマティック無作為化試験。両群とも一回換気量4〜6mL/kg(予測体重)・プラトー圧≤30を目標。イベント(死亡数)ドリブンで実施。
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総論を読む本ページは医学情報の学習・抄読会支援を目的とした要約であり、個別の診療判断を代替するものではありません。掲載の数値は原著に基づきますが、投与の可否・用量などの最終判断は、必ず原著論文および最新の診療ガイドラインをご確認ください。図表は出版社からの転載ではなく、要点を独自に記述・再構成しています。